
【補助金採択事例紹介④】スポーツ関連事業からトレーニングジムへ―補助金活用で挑む新分野展開
【採択事例紹介④】スポーツ関連事業からトレーニングジムへ―補助金で挑む新分野展開
新型コロナウイルスの影響で、多くのスポーツ関連事業が厳しい状況に追い込まれました。大会やイベントの中止は、参加者や観客だけでなく、関連ビジネスにも大きな影響を及ぼしました。今回は、スポーツブランド・施設運営・カフェ事業を手がけていた企業が、補助金を活用して「全天候型ビーチトレーニングジム」という新分野に挑戦し、採択された事例をご紹介します。
既存事業の状況とコロナ禍の影響
同社はこれまで、
〇オリジナルスポーツブランドの企画・販売
〇ビーチスポーツ施設の運営(レンタルコート・大会・イベント)
〇コーヒー事業(移動販売・店舗運営)
といった多角的な事業を展開していました。
しかし、コロナ禍でスポーツ大会やイベントが相次いで中止。ユニフォームやウェアの需要が激減し、施設利用者も大幅に減少。売上全体が低迷しました。
そこで同社は「待つだけではなく、新たな柱を作り出すべきだ」と判断し、新分野への挑戦を決意しました。
新規事業 ― 全天候型ビーチトレーニングジム
同社が打ち出したのは「砂浜を室内に取り入れた全天候型のビーチトレーニングジム」です。
特徴的な取り組み
1.白砂を敷き詰めた室内トレーニング
屋外では天候に左右されがちなビーチスポーツを、全天候で楽しめるよう室内化。砂浜の不安定な地面を利用することで、通常の約1.8倍の運動量が得られ、体幹強化や代謝アップにつながります。
2.AIシステムによるパーソナルトレーニング
個々の筋力や可動域を測定し、AIが最適なメニューを提案。効率的かつ安全にトレーニングが可能になります。
3.食事・栄養サポート
アスリートフードマイスターによる栄養価を考慮した食事や、プロテインスムージーを提供。トレーニングと食事を組み合わせた健康管理を実現します。
4.「健康×美容」の複合サービス
セルフ脱毛機器を導入し、ジム利用者が「運動のついでに美容ケア」もできる仕組みを整備。地域初の取り組みとして注目されています。
地域資源と強みを活かした差別化戦略
この新事業の最大の特徴は「砂浜トレーニング×地域性×既存事業との連携」です。
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九州唯一の人工ビーチ施設を持つ強みを活かし、他社にはない体験価値を提供
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代表者自身がビーチサッカー日本代表として活躍しており、説得力と集客力を発揮
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自社ブランドのスポーツウェアやコーヒー事業と連携し、顧客満足度を高めるクロスセルを実現
競合する大手ジムとは価格設定や提供価値で差別化し、地域住民から「選ばれるジム」を目指しています。
採択に至った成功要因
この事例が事業再構築補助金に採択された背景には、次の要因が挙げられます。
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明確な新分野展開
スポーツブランドや施設運営から「トレーニングジム」へと新規事業を打ち出した点。 -
独自性の高さ
砂浜トレーニングという国内でも稀少な形態にAI・食事・美容を組み合わせ、ユニークな施設を構築。 -
地域への波及効果
子どもから高齢者まで幅広く利用できる施設とし、地域住民の健康増進に寄与。さらに雇用創出にもつながる。 -
既存事業とのシナジー
ウェア・施設・コーヒー事業と連携し、利用者の囲い込みやブランド価値向上を実現。
将来の展望
新ジムは、幼児から高齢者まで幅広い世代を対象とした「地域密着型の健康拠点」となることを目指しています。特に、人口増加エリアでの展開は大きな追い風となります。
また、地元プロスポーツチームとの連携や、SNS・広告を活用した発信により、地域外からの集客も期待できます。将来的には、既存のビーチ施設やスポーツブランド事業とさらに連動し、地域から全国に発信できる拠点としての成長を見込んでいます。
まとめ
この事例は、スポーツ関連事業者がコロナ禍の逆境を乗り越えるために、新たな分野で挑戦した好例です。
〇全天候型ビーチトレーニングジムという稀少性
〇AIや食事管理、美容を組み合わせた複合サービス
〇地域住民の健康づくりとスポーツ振興への貢献
これらの取り組みが評価され、事業再構築補助金に採択されました。
スポーツや健康関連事業に携わる方にとっても、「既存の強みを活かしつつ、新しい需要に応える事業モデルを描く」ことの重要性を示す事例といえるでしょう。
事業再構築補助金の受付は終了しておりますが、「新事業進出補助金」などの新たな補助金も開始しております。
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